黒真珠と言われることもあるピオーネですが、今年のピオーネは赤いです。
夜温が低くならなかったり、着果量が多すぎたりすると黒くなりきれず赤いままなのです。
まだ夜温が低くなり始めで、しかも収穫始めなので、これから着色が進むことを期待はしています。
ただ、就農以来、ここまで赤いピオーネは初めてなのでとまどいを隠せません。
ピオーネは「黒いピオーネ」だと脳裏に焼き付いているので、自分の中で納得感が得られない。
個人的な美味しさとお客さん個人個人が思う美味しさは違うので一概には「これがピオーネの美味しさだ!」なんて言えないのですが、生産者として思い通りの葡萄にならなかった悔しさがある。
(もちろん、まだ諦めずに、これからの着色を促すために、しっかり着果量を減らすよう収穫も進めています。)
ただ、一方で、日々お客さんと接すると、自分が思うほどにはピオーネの美味しさって一緒ではない。
自分では納得のいかない赤いピオーネも実際にお客さんに試食してもらうと甘くて美味しいとは言われます。糖度計で計っても十分な甘さです。
生産者の自分が求める葡萄と、お客さんに向き合った時に求められる葡萄は必ずしも一致するとは限らないのです。
今のところ、答えが出ているわけではないのですが、よくよく耳を傾けて聴こうと思います。
しっかり説明することと、お客さんの真の声を聴くこと、真摯にお客さんのニーズに向き合い自分に妥協せずに生産すること。
自分で生産と販売をしていることを活かして、期待を超える葡萄に仕上げていけるように努力を続けようと思います。